
捻挫したら、冷やしたほうが早く治る? 足首をひねったとき、氷のうを当てると痛みが少し楽になることがあります。では、痛みが和らいだとき、傷ついた靱帯の修復も早まっているのでしょうか。 人の足首の捻挫を調べた研究では、同じリハビリを受けた人のう…
捻挫したら、冷やしたほうが早く治る?
足首をひねったとき、氷のうを当てると痛みが少し楽になることがあります。では、痛みが和らいだとき、傷ついた靱帯の修復も早まっているのでしょうか。
人の足首の捻挫を調べた研究では、同じリハビリを受けた人のうち、最初の3日間にアイシングを加えた人は、常温のパックを当てた人に比べ、1週間後の痛みと腫れがやや軽くなりました。ただ、痛みの改善幅の差は10点満点で約1点でした。この研究が確かめたのは症状の変化で、靱帯そのものが治る速さは調べていません。足首の捻挫を対象とした臨床研究(2026年)
「炎症」と聞くと、早く抑えたいものだと思うかもしれません。実は、炎症は体が修復を始める過程でもあります。 筋肉が強く傷つくと、まず免疫細胞が集まり、ほかの細胞を呼び寄せる合図を出します。その合図で集まった細胞が、傷んだ組織を片づけ、筋肉の再生を助けます。Tamariらの研究(2026年)
Tamariらは、ラットの傷ついた筋肉を直後から繰り返し冷やすと、この合図が一時的に弱まることを確かめました。修復に関わる細胞が最も多く観察されたのは、冷やさなかった場合は2日後、直後から冷やした場合は3日後でした。これは、冷やし方によって、修復の初期に起こる反応が変わり得ることを示しています。この1日の差は、細胞が集まる時期の差です。けがが治るまでの日数を比べたものではありません。原著論文
では、足首を捻挫したときはどう考えればよいでしょうか。アイシングは、受傷後の痛みを少し和らげるための選択肢の一つです。 一方、「早く治したいから」と痛みが落ち着いたあとも繰り返し冷やすことに、靱帯の修復を早める効果があるかは分かっていません。同じように、ラットの筋肉で起きた変化だけを根拠に、「一度でも冷やすと捻挫の治りが遅くなる」と心配する必要もありません。人の捻挫について今分かっているのは、主に痛みや腫れへの短期的な効果です。臨床研究・スポーツ外傷とアイシングに関する研究レビュー
