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スポーツ外傷2026.11.04

足首の捻挫とバランス能力――「揺れが少ない=良い」とは限らない?

足首の捻挫とバランス能力――「揺れが少ない=良い」とは限らない?

足首の捻挫を繰り返すと、バランス能力はどう変わるのでしょうか。2026年に『Clinical Biomechanics』に掲載されたMiyakawaらの研究は、着地後の動きを評価する際、捻挫の回数だけでなく足首の可動域にも目を向ける必要性を…


足首の捻挫を繰り返すと、バランス能力はどう変わるのでしょうか。2026年に『Clinical Biomechanics』に掲載されたMiyakawaらの研究は、着地後の動きを評価する際、捻挫の回数だけでなく足首の可動域にも目を向ける必要性を示しています。

捻挫の経験と、着地後の動きを調査

研究では、思春期のバスケットボール選手156人・238足関節を、捻挫歴なし・1回・複数回のグループに分類。20cmの台から片脚で着地した後の「足圧中心」の動きと、足首の可動域を調べました。

足圧中心とは、足裏にかかる圧力の中心です。その移動距離は、着地後に体を支える動きを捉える指標の一つです。

年齢や体格、競技経験などを考慮すると、捻挫歴による移動距離の有意な差は認められませんでした。一方、体重をかけずに測定した背屈可動域――つま先をすねに近づける方向の動かせる範囲――が大きいほど、一部の時間帯では足圧中心の移動距離も長くなっていました。

動きが小さくても、理由は一つではありません

ここで注意したいのが、「移動距離が短いほどバランスが良い」とは言い切れないことです。

著者らは、足首の動きが制限されることで、着地後に姿勢を調整する動きも小さくなる可能性を挙げています。ただし、これは考えられる説明であり、今回の研究で仕組みまで証明されたわけではありません。

結果を受け止めるうえで大切なこと

対象は、測定時に足首の痛みや腫れ、不安定感のない選手でした。また、足首の柔軟性を改善する治療や、その後の再捻挫を調べた研究ではありません。

この研究から得られる示唆は、捻挫の回数や一つの測定値だけで状態を判断せず、足首の可動域と着地後の動きを合わせて捉えることです。「どれだけ動いたか」に加えて、「なぜその動きになったのか」を考える視点が、評価を理解する手がかりになります。


※この研究が伝えているのは、「足首の状態は、捻挫をした回数や、ふらつきの少なさだけでは判断できない」ということです。

例えば、着地した後の動きが小さくても、「うまく姿勢を調整できている場合」と「足首が硬く、調整する動きが限られている場合」が考えられます。見た目が似ていても、足首の働き方は違うかもしれません。今回の研究では、後者の可能性が示唆されていますが、仕組みまで確かめられたわけではありません。

そのため、足首の状態を確認するときは、「何回捻挫したか」に加えて、足首がどのくらい曲がるか、着地したときにどのように体を支えているかにも目を向けることが大切です。

なお、「足首は柔らかいほど良い」「ストレッチをすれば捻挫を防げる」という意味ではありません。この研究は、足首の動かしやすさと、着地後のバランスの取り方を合わせて見ることの大切さを示しています。

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